第30回[2022年9月13日]

執筆が一瞬落ち着いたので、『ライカムで待っとく』の上演にむけて、っていうわけでは全然ないけど日記を再開しようかな。いや、再開とか言ってっけど結局今日だけかもしんない。

2022年9月13日(火)

『ライカムで待っとく』の修正台本データを今朝送付して束の間の休息。これで終わりではないだろうけど一旦落ち着くかな。今度は某局のラジオドラマ案件があって、まだ企画段階だけどその準備をしなきゃならない。2本アイデアを立てて両方を同時に進め同時に提出するという流れで動きはじめていて、前回もそういう感じでやってそのうち1本が採用されたので今回もそれでいこうということなのでしょうきっと。というわけでプロットを2本考える必要があるわけです。わかりますか? 大変なんですよ? 聴いてますか? とか言いつつ、実はプロットは2本ともディレクターさんが粗方考えてくれていて、今後はそれを元にお互いの意見を打ち合って受け止め合って投げ合ってというプロセスを辿っていくわけです。プロット苦手、ストーリーの「0→1」が苦手、という脚本家としての致命的な弱点を持っているわたしとしてはとても助かるんです。どうもありがとうございます。今後とも宜しくお願いいたします。というわけで、企画通るといいなぁ。いい作品にしたい。

それとはまた別件で、昨年から取り組んでて、でも『ライカム』でわたしがあっぷあっぷになってしまっていたためにフリーズしてしまっていた企画もそろそろジリジリ進めはじめないといけない。これに関しては苦手なプロット構築からはじめないといけなくてちょっとどうしたらいいの神様。でも神様に縋った場合でも結局実行(つまり執筆)はわたし自身がやんなきゃいけないわけでしょ。そんなの意味ないじゃん。大変なのは一緒じゃん。神様はきっと優しくて厳しいから「ああ、いいよ、俺やっとくよ」とは言わずに、わたしの成長を願ってあえて厳しい言葉で叱咤激励をしてくるわけですよ。神様ってだいたいそういうこと言うでしょ。わたしが品行方正で純粋無垢で泰然自若な人間だから耐え凌げるはずだと変な仕方で信頼を示して苦難を与えるというヨブ記みたいなことを神はわたしになさるでしょ。そういうのは一切求めてないんです、わたしは。代筆をして欲しいのです。代筆の神様がほしいのです。六甲山の麓あたりに代打の神様が住み着いているという噂はかねがね伺っておるのですが、それじゃあ代筆の神様もいらっしゃるわけでしょうきっと。どこにおるのかね。姿を見せなさい。
全然余談なんだけど、ちょっと前にTwitterで「ゴーストライター募集」ってつぶやいたらライター紹介のアカウントにリツイートされた。もちろん応募はなかったけどこんなふざけたつぶやきも律儀に追っているこのアカウントさんお疲れ様です(どうせ自動のプログラムだろうけど)。

そしてまたまた別件で舞台脚本の依頼が来た。なんか、こうしていろんな人から依頼が来るなんて感慨深いですね。企画段階で「兼島に書いてもらおう」って思ってもらえるのってすごくありがたいし、作家冥利につきますね。
でも依頼もらったときは嬉しくて高揚してヨーシ面白いの書くぞー!ってなるんだけどさ、いざパソコンの前に座ると何にも思い浮かばなくて、なんとかとっかかりをと思って書き出してみるけどそれがまったく面白くなりそうな気配がなくて、毎回己の才能のなさに直面して打ちひしがれるのです。これ例外なくぶつかるのよね。もう嫌よ、そんなの。俺、書けんのか……? という絶望に飲み込まれる期間がしばらく続いたのちに、でも引き受けちゃったしなんか書かなきゃなとポツポツと書き始めて、でもそのうちだんだんノってきて、これ面白いかもとなり、誰かに見せて面白いと言われ、よっしゃこの路線でいいんだ俺まだまだやれるじゃんとなり、でも待てよ、「これどう?」って言われたらまあ全否定はしないよね普通は、粗があっても一応いいところは言うよね、もしかしてあの人が言った「面白い」って言葉はとても小さな小さなカケラみたいなものを最大限引き伸ばして伝えてくれたのかもしれない、ああ気を使わせてしまった、よく読んでみると実はこれそんなに面白くないんじゃないか、確かに最初の頃は自分でこれは面白いって思ってたけど、でもそれは面白そうなアイデアが頭の中にあるからそれで補正された結果そう思っただけであって、その面白さをテキスト化させきれてるのか、俺にそんな技術があるのか、というかそもそも俺の「面白い」の感覚自体が低劣なものなんじゃないのか、信用に足るものなのか、なんだよもうわかんねえよ、面白いってなんだよ、普通にお笑いとかドラマとかをじゃがりこ齧りながら時折フフとか吹き出しながら見ている安心に包まれた視聴者のままでいた方が自分は幸せだったんじゃなかろうか、何を思ったか作り手に回ろうだなんて、その安心な場所で眺めていた画面の向こう側にはこれでもかと注ぎ込まれた才能と汗があって、でもそれが必ずしも脚光を浴びるとは限らず報われないまま朽ちていくものもいっぱいあるわけで、そのことに目を向けず呑気に自分にも面白いものが作れるはずだと思い上がってしまったのがお前の運の尽きだそのまま死んでしまえ、っていう周期を辿ることになるんだけど、こうやって書いてみると、俺なんでこんなことやってんだ?ってなるね。なんで? 不思議。でももう仕方ないんでしょうね。運の尽きです。

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